大会・部門別研究会

産業・組織心理学会 第38回大会 | 自主企画シンポジウム

>『職場における孤独・孤立を防ぐために何ができるか』
>『ピープルアナリティクスと産業・組織心理学との接点を考える』 』
>『「自分の」職場の課題を解決する研究手法を身につける!―キャリア自律を促進する産学連携の研究会の取り組み―』

 

職場における孤独・孤立を防ぐために何ができるか

企画趣旨:

孤独・孤立の問題は社会における重要課題となっており、令和3年には内閣官房に孤独・孤立対策担当室が設置された。令和3年の実態調査では、孤独感は20歳代30歳代が高く、孤独感が高い人は転職・離職・退職を多く経験していた。中高年の引きこもり調査では、職場での不適応が引きこもりのきっかけになっていた。これらの調査結果から見ると、職場内の孤独・孤立の把握と予防は、重要な社会課題であると考えられる。
本研究チームは、RISTEXの委託により、職場における孤独・孤立を測定するアプリの開発を行ってきた。この開発過程において、職場内の孤独は従来の孤独感尺度では測定できない面があることや、企業の人事部門では従業員の孤独・孤立を把握できていないことなどを明らかにしてきた。
本シンポジウムではこうした研究知見を紹介すると共に、職場内の孤独・孤立を防ぐためにどのようなアプローチがあるべきかについて、フロアの方々と議論したい。

企画者

原恵子(筑波大学)・松井豊(筑波大学)・岡田昌毅(筑波大学)

話題提供者:

松井豊(筑波大学)「企画趣旨」
中村准子(筑波大学)「職場内の孤独・孤立化の実態と過程を捉える」
大塚泰正(筑波大学)「職場内の孤独・孤立を非意識指標で捉える」
原恵子(筑波大学)「職場内孤独・孤立を振り返るツールの可能性」

 

 

ピープルアナリティクスと産業・組織心理学との接点を考える

企画趣旨:

近年、新たな人事実務として「ピープルアナリティクス」(以下、PAとする)が注目されている。PAとは、人事に関するデータの収集、分析を通して、人や組織に対する理解を深め、人事戦略に活かす取り組みであり、現在は、主に情報科学やマーケティングの領域を土台として発展している。しかし、人材や組織を「理解」するための科学知を生み出し、測定・分析手法といった道具を磨き続けている産業・組織心理学の貢献できる余地は非常に大きいと考えられる。」
本シンポジウムでは、まず、PAの普及・推進を行う業界団体の代表副理事であり、コンサルティングに取り組む山田氏から業界動向やPAの実践事例についてお話いただく。次に、企業で産業・組織心理学の専門性を活かしてPAプロジェクトの立ち上げた経験を持つ岩本から、産業・組織心理学を学んだ人材のPA領域での活躍可能性について議論する。そして、共同研究や学術指導を通して企業に学術知を提供する開発研究センターを運営する岡田氏からは、大学の社会貢献の観点から事例や意義についてお話しいただく。最後に、フロアの皆さまと一緒に、産業・組織心理学とPAとの関係性を考える。

話題提供者:

山田 隆史(一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会、スターツリー株式会社)
「ピープルアナリティクスの業界動向と実務事例」
岩本 慧悟(株式会社ZENKIGEN、一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会)
「産業・組織心理学を学んだ人材のピープルアナリティク領域での活躍可能性」
岡田昌毅(筑波大学)
「産学連携における産業・組織心理学のピープルアナリティクへの貢献可能性と期待」

 

 

「自分の」職場の課題を解決する研究手法を身につける!―キャリア自律を促進する産学連携の研究会の取り組み―

企画趣旨:

本シンポジウムは企業の管理職層および人事総務の担当者が研究手法の獲得を通して、「自分の職場の課題」を自分で解決していくことを支援する産学連携による研究会の活動の報告である。本研究会では、企業や公官庁での実務経験のある大学教員をファシリテーター、企業の管理職層および人事総務担当者が参加者として、職場の課題を解決するための研究手法を共に学ぶプラットフォームの形成を試みた。4年間の取り組みの到達点として、研究会の参加者が自ら研究テーマを設定、企画立案し、自らの問題意識に基づいて分析を行い、自身の職場に研究知見を還元していこうとする試みについて、研究会の参加者から話題提供を行い、研究会の意義、成果について考察する。

話題提供者:

堀口康太(白百合女子大学)
池尾早紀(株式会社IHI)
平野真吾((株)日立製作所)

指定討論:

濱野裕貴子(電気通信大学 キャリア支援センター)

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