大会・部門別研究会

第121回 部門別研究会 ―消費者行動部門― 「ショッパー・インサイト (店舗内購買行動分析) の現状と課題」

テーマ
ショッパー・インサイト (店舗内購買行動分析) の現状と課題
開催日時
2016年5月21日 (土) 14:00〜17:00
開催場所
上智大学大阪サテライトキャンパス 多目的ラウンジ
〒531-0072 大阪市北区豊崎3-12-8 サクラファミリア2F
阪急「梅田駅」茶屋町口より徒歩4分
JR「大阪駅」御堂筋北口より徒歩10分
http://www.sophia-osaka.jp/campus/
企画趣旨
 スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売店頭における消費者の心理特性や行動特性に着目をして、その場面での購買意思決定過程を明らかにするための研究が注目を浴びている。背景には、人間の行動に対する場面・状況の影響力を強調した社会心理学的や行動経済学の知見や、近年のコモディティ化(商品・サービスの大衆商品化)の進行に伴う店舗内決定率(非計画購買率)の上昇などさまざまなものがあるが、マーケティング実務の視点からは、メーカー起点のマス広告による情報の影響力が減少し、店頭での情報発信が購買結果により影響力を持ち重要とされるという認識が強くなっている。またPOSなどの情報収集・分析システムやそれに基づくビッグデータの活用などによって、店頭での購買行動を正確に把握できるようになったことも重要である。このことから店舗内環境(商品配置、陳列、POP、商品パッケージなど)を構築することで、店頭での消費者の行動を適切にコントロールするという課題が必要とされている。このような課題を解決するために、実証的方法論に基づき店頭での購買行動の仕組みを理解する必要がある。
 今回の研究会は、以上のような課題解決に貢献すべく「ショッパー・インサイト(店舗内購買行動分析)」をテーマとし、第一線でこの問題に取り組まれる方々をお招きして情報共有、意見交換をする場を提供することを目的とする。
 まずはじめに企画担当者が今回の内容について論点の確認などを行ったうえで、北林弘行氏(株式会社アート印刷所)から、パッケージやPOPを制作する実務の立場からショッパー・インサイトに要求される課題についてご説明をしていただく。また問題解決のための研究の具体的な取り組みとして京都橘大学の学生組織「ショッパー・インサイト研究会」による研究事例なども報告する。つぎに小野泰氏 (株式会社オージス総研)から、ショッパー・インサイトの方法論である行動観察についてその概要と事例をご紹介いただく。さらに石淵順也氏 (関西学院大学)より百貨店の地下食品売場の動線測定データを店舗内感情という視点から分析していただく。これらの研究報告を踏まえて杉本徹雄氏(上智大学)による指定討論を踏まえて参加者全員でディスカッションを行っていきたい。
話題提供者
北林弘行 (株式会社アート印刷所):
ショッパー・インサイト研究の現場での活用
小野 泰 (株式会社オージス総研):
ショッパーの行動からインサイトを導く行動観察
石淵順也 (関西学院大学商学部):
ショッパーの統合的理解:動線研究と店舗内感情研究の融合
指定討論者
杉本徹雄 (上智大学経済学部)
企画・司会進行
永野光朗 (京都橘大学健康科学部)
参加費
無料 (会員・非会員とも) お気軽にご参加下さい。
予約は不要ですが、資料準備などの関係上、ご参加される場合は京都橘大学・永野までご一報をいただけると幸いです。
報告者の紹介
北林 弘行 氏 (株式会社アート印刷所 常務取締役)
慶應義塾大学理工学部卒業後、コクヨ株式会社入社。商品開発、空間設計、ファシリティマネジメントに従事。2000年より株式会社アート印刷所。パッケージ、ラベル、POP、ディスプレイの企画・制作、ショッパーマーケティングの提案などを行う。日本消費者行動研究学会、大阪府中小企業家同友会等に所属。

小野 泰 氏 (株式会社オージス総研 行動観察リフレーム本部 エグゼクティブリサーチャー)
中小企業診断士 / 消費生活アドバイザー
同志社大学文学部卒業後、市場調査会社を経て株式会社エルネット入社。同社では、商品開発室長、第二営業部長、リサーチアンドプロモーション推進部長など。マーケティング関連部門長を歴任。2015年より現職に至る。
30年以上にわたり、マーケティング・リサーチを中心に、マーケティング業務全般に携わっている。

石淵 順也 氏 (関西学院大学 商学部 教授)
大学ではマーケティング・リサーチ、マーケティングサイエンスなどを担当。
日本消費者行動研究学会、日本商業学会、日本マーケティングサイエンス学会などに所属。

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